株式総務

株式に関する業務を中心とした総務の業務を解説します。

証券保管振替機構

証券保管振替機構とは?(ほふりとは?)

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証券保管振替機構(ほふり)についてご存じでしょうか?

当記事では、証券保管振替機構とは何かについて、ご説明します。





証券保管振替機構とは?(ほふりとは?)

振替法とは?

社債、株式等の振替に関する法律(以下「振替法」といいます。)は、2004年6月に改正された株券の電子化に関わる法律の一つです。

証券保管振替機構とは?(ほふりとは?)

証券保管振替機構とは、正式名称を「株式会社証券保管振替機構」、略称を「ほふり」といい、振替法に定める「振替機関」であり、振替法に定める振替業を営む株式会社のことをいいます。
なお、証券保管振替機構は唯一の振替機関です。

(定義)
第二条
(略)
2 この法律において「振替機関」とは、次条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。
(略)

(振替業を営む者の指定)
第三条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、この法律の定めるところにより第八条に規定する業務(以下「振替業」という。)を営む者として、指定することができる。
(略)

(振替機関の業務)
第八条 振替機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、社債等の振替に関する業務を行うものとする。

社債、株式等の振替に関する法律

株式総務担当者との業務上のかかわり

株式総務担当者は、「Targetほふりサイト」を通じて、各種の所定の書式を提出することなどで、ほふりに関わることが多いかと思います。

例えば、臨時株主総会を招集するために基準日を設定し、総株主通知請求をするとき、「Targetほふりサイト」を通じて、所定の書式を提出しますが、振替法及びほふりの業務規程では、以下の通り定められています。

なお、振替株式とは、株券を発行する旨の定款の定めがない会社の株式(譲渡制限株式を除く。)で振替機関が取り扱うもの、つまり、電子化された株式のことです。
また、振替株式の発行者とは、電子化された株式の発行者のことです。

第七章 株式の振替
第一節 通則
第百二十八条 株券を発行する旨の定款の定めがない会社の株式(譲渡制限株式を除く。)で振替機関が取り扱うもの(以下「振替株式」という。)についての権利の帰属は、この章の規定による振替口座簿の記載又は記録により定まるものとする。

(総株主通知)
第百五十一条 振替機関は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、発行者に対し、当該各号に定める株主につき、氏名又は名称及び住所並びに当該株主の有する当該発行者が発行する振替株式の銘柄及び数その他主務省令で定める事項(以下この条及び次条において「通知事項」という。)を速やかに通知しなければならない。
一 発行者が基準日を定めたとき。 その日の株主
8 発行者は、正当な理由があるときは、振替機関に対し、当該振替機関が定めた費用を支払って、当該発行者が定める一定の日の株主についての通知事項を通知することを請求することができる。この場合においては、第一項から第六項までの規定を準用する。

社債、株式等の振替に関する法律

(発行者による総株主通知請求)
第 151 条 振替株式の発行者は、法第 151 条第8項の正当な理由がある場合には、規則で定めるところにより、機構に対し、総株主通知請求(同項の請求をいう。以下同じ。)をすることができる。
2 前項の請求をする発行者は、当該請求において、次に掲げる事項を示さなければならない。
(1)株主確定日
(2)総株主通知対象銘柄
(3)総株主通知請求を行う理由
(4)その他規則で定める事項
3 第1項の請求に基づいて機構が行う総株主通知については、第 145 条から前条までの規定を準用する。

株式等の振替に関する業務規程

(発行者による総株主通知請求の方法)
第 195 条 振替株式の発行者は、規程第 151 条第1項の総株主通知請求を行う場合には、機構に対し、株主確定日とする日の前営業日を起算日として7営業日前の日までに行わなければならない。
2 振替株式の発行者は、その事業年度が6か月を超える場合において、当該事業年度の期間を3か月ごとに区分した各期間(以下「四半期会計期間」という。)の末日を株主確定日とする総株主通知請求を、当該四半期会計期間の末日(規程第 144 条各号に該当する日を除く。)が到来する都度行おうとするときは、あらかじめ、その旨、株主確定日とする四半期会計期間の末日、総株主通知請求を行う理由その他の機構が定める事項を機構に対して届け出ることにより、株主確定日ごとの総株主通知請求に代えることができる。
3 第1項の規定にかかわらず、前項に規定する届出は、事業年度の開始の日前(取扱開始日の属する事業年度にあっては、当該取扱開始日まで)に行わなければならない。

(総株主通知請求の際の通知事項)
第 196 条 規程第 151 条第2項第4号に規定する規則で定める事項は、発行者に正当な理由が認められない場合として機構が定めるものに該当する事情が存在するか否かの別とする。

株式等の振替に関する業務規程施行規則

ほふりの株主構成

上記の通り、ほふりは株式会社です。
そうだとわかると、株主構成が気になりますね。

ほふりのウェブサイトの「株式関連情報(証券保管振替機構)」のページから、「第19回定時株主総会招集御通知」を見ることができます。

事業報告の大株主の状況によると、
第1位は株式会社日本取引所グループ(持株比率24.65%)、
第2位は日本証券業協会(持株比率12.55%)、
第3位以降は野村ホールディングス株式会社等の金融機関(持株比率12.55%以下)のようです。

まとめ

株式会社証券保管振替機構とは、略称を「ほふり」といい、振替法に定める唯一の「振替機関」です。
株式総務担当者は、「Targetほふりサイト」を通じて、各種の所定の書式を提出することなどで、ほふりに関わることが多いです。

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名前:
火星に似たもの

職業:
とある会社で株式総務を担当しています。
株式総務に関するウェブサイトが少ないな、あると便利なのにな、と思い、拙くも開設してみました。