株式総務担当として、株主総会招集通知の事業報告(会社法)や、有価証券報告書の非財務情報(金融商品取引法)を作成するとき、また、経理の作成した決算書(計算書類、財務諸表)を確認するとき、記載金額の端数処理について、切捨てなのか、切上げなのか、四捨五入なのか、気になったことはありませんか?
当記事では、決算書の端数処理が切捨てか、切上げか、四捨五入か、確認したいと思います。
目次
決算書の端数処理は切捨て?切上げ?四捨五入?
決算書の端数処理は切捨ての場合が多い!
結論としては、切捨ての場合が多いです。
以下に、法令・取引所規則ごとに、その理由を説明します。
会社法
会社法及び関連法令には記載金額の端数処理に関する定めはありません。
そのため、株主総会招集通知及び決算公告の記載金額の端数処理は自由に記載してよいこととなります。
金融商品取引法
金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)及び関連法令には記載金額の端数処理に関する定めはありません。
そのため、有価証券報告書の記載金額の端数処理は自由に記載してよいこととなります。
取引所規則
取引所規則として、東京証券取引所の有価証券上場規程(以下「有価証券上場規程」といいます。)を例にとって説明します。
有価証券上場規程には、記載金額の端数処理に関する定めはありません。
ただし、東京証券取引所は、参考様式等に基づいて決算短信等の作成・開示を行うよう、上場会社へ要請しています。
決算短信(サマリー情報)
「決算短信・四半期決算短信作成要領等(2018年8月版)」では、決算短信(サマリー情報)の記載上の注意事項として、以下の通り定められています。
端数等の処理
・百万円単位で表示する場合は、百万円未満を切捨てすることとしていますが、
百万円未満を四捨五入しても差し支えありません。
決算短信(添付書類)(連結財務諸表)
決算短信の添付書類である連結財務諸表は、金商法及び関連法令によって記載することとなるため、上記の通り、記載金額の端数処理に関する定めはありません。
法令・取引所規則に基づく各書類の整合性
整理すると、記載金額の端数処理(切捨てor四捨五入)について、法令・取引所規則では以下の通り定められています。
株主総会招集通知は、自由選択。
有価証券報告書は、自由選択。
決算短信は、サマリー情報については、原則切捨て、
連結財務諸表については、自由選択。
つまり、決算短信のサマリー情報のみ、決まりがあることとなります。
その場合、みなさんでしたらどうしますか?
各種開示書類の整合性を持たせるため、サマリー情報にあわせますよね。
ということで、開示書類の端数処理は、切捨てとしている上場会社が多いです。
まとめ
開示書類の端数処理は、決算短信のサマリー情報に合わせ、「切捨て」としている上場会社が多いです!
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