株式総務

株式に関する業務を中心とした総務の業務を解説します。

株主総会 有価証券報告書 新入社員、新任担当者 会社法 金融商品取引法 取引所規則

開示書類や法令等における「及び」「並びに」「又は」「若しくは」の使い分け

投稿日:2020年5月26日 更新日:

株主総会招集通知、有価証券報告書、決算短信その他の適時開示(以下総称して「開示書類」といいます。)を作成する際に、または会社法、金融商品取引法その他の法令及び取引所規則を閲覧する際に、「及び」、「並びに」、「又は」及び「若しくは」、といった接続詞の使い分けで困ったことはありませんか?

(「「社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係」とは?」で説明したことも、この使い分けがわかっていれば、簡単にご理解いただけるかもしれません。)

当記事では、「及び」、「並びに」、「又は」及び「若しくは」といった接続詞の使い分けについて、確認したいと思います。




開示書類や法令等における「及び」「並びに」「又は」「若しくは」の使い分け

法令等:ルールあり、開示書類:ルールなし

法令その他の公文書では、「及び」、「並びに」、「又は」及び「若しくは」といった接続詞は、厳密に使い分けられています。
そのため、使い分けのルールを知っておくと、法令その他の公文書を読みやすくなります。

一方で、開示書類の作成において、使い分けに関するルールはありません。
そのため、各会社の任意で使い分けをし、日本語として意味が通じれば、問題はありません。
その上で、開示書類に作成においても、法令その他の公文書と同じ使い分けのルールを使用すれば、使い分けのルールを知っている人には読みやすくなりますし、ルールが定められていることによって迷いを減らし効率的に開示書類を作成できるといったメリットがあります。

以下、法令その他の公文書における使い分けのルールを、ご説明します。

原則:接続詞は平仮名、例外:「及び」「並びに」「又は」「若しくは」は漢字

「及び」、「並びに」、「又は」及び「若しくは」の説明の前に、接続詞全体について説明します。

原則として、接続詞は平仮名で記載されます。
○「あるいは」、「また」、「ただし」、「なお」
×「或いは」、「又」、「但し」、「尚」

例外として、「及び」、「並びに」、「又は」及び「若しくは」のみ漢字で記載されます。目的は、名詞等の限定列挙であることを明確にするためです。
○「及び」、「並びに」、「又は」、「若しくは」
×「および」、「ならびに」、「または」、「もしくは」

「及び」「並びに」(「及び」は小さい。”and”の意味。)

“and”の意味(「と」の意味。)で列挙する際、原則的に、「及び」が用いられます。

列挙する語が複数ある場合は、句点「、」でつなぎます。

列挙する語が階層構造となる場合は、小さいくくりに「及び」を、大きいくくりに「並びに」を用います。
つまり、「及び」が無い文章に「並びに」は存在しません。

3階層以上の階層構造となる場合は、最も小さいくくりに「及び」を、それ以外のくくりに「並びに」を用います。

ライオン及びトラ
(ライオンandトラ)
ライオン、トラ及びヒョウ
(ライオン、トラandヒョウ)
ライオン、トラ及びヒョウ並びにサメ
((ライオン、トラandヒョウ)andサメ)
ライオン、トラ及びヒョウ並びにサメ並びにロボット
(((ライオン、トラandヒョウ)andサメ)andロボット)

「又は」「若しくは」(「又は」は大きい。”or”の意味。)

“or”の意味(「か」の意味。)で列挙する際、原則的に、「又は」が用いられます。

列挙する語が複数ある場合は、句点「、」でつなぎます。

列挙する語が階層構造となる場合は、小さいくくりに「若しくは」を、大きいくくりに「又は」を用います。
つまり、「又は」が無い文章に「若しくは」は存在しません。
※ルール上、「又は」及び「若しくは」と同じ意味を持つ「或いは(あるいは)」は限定列挙では用いません。限定列挙以外の場合に、接続詞として(つまり平仮名で。)用いられることはあります。

3階層以上の階層構造となる場合は、最も大きいくくりに「又は」を、それ以外のくくりに「若しくは」を用います。

ライオン又はトラ
(ライオンorトラ)
ライオン、トラ又はヒョウ
(ライオン、トラorヒョウ)
ライオン、トラ若しくはヒョウ又はサメ
((ライオン、トラorヒョウ)orサメ)
ライオン、トラ若しくはヒョウ若しくはサメ又はロボット
(((ライオン、トラorヒョウ)orサメ)orロボット)

まとめ

「及び」は”and”の意味、「及び」は小さい。
「又は」は”or”の意味、「又は」は大きい。

「社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係」とは?

使用例として、上記の記事もご参照ください。

広告

広告

-株主総会, 有価証券報告書, 新入社員、新任担当者, 会社法, 金融商品取引法, 取引所規則

執筆者:

関連記事

新任役員就任の際に必要な書類は?

「新任役員(新任取締役、新任監査役)が就任するから、提出してもらう書類(会社として必要な書類)を揃えておいて」と聞いたとき、どきっとしませんか? 当記事では、株式総務担当として、各種手続きに必要な書類 …

株主総会後に臨時監査役会を行う理由

当サイト「株式総務」は、株式に関する総務の業務を解説するウェブサイトです。 当サイト「株式総務」の運営者と同じような株式総務ご担当者の方で、かつ新任の方は、「なぜ株主総会後に臨時監査役会を行っているん …

適法性監査、妥当性監査とは?その違いは?

監査の種別として、適法性監査、妥当性監査があると、聞いたことがある方もおられるかと思います。 適法性監査、妥当性監査の違いについて、ご存じでしょうか? 当記事では、適法性監査、妥当性監査とは何か、その …

株主総会招集通知(参考書類、事業報告、計算書類)の虚偽記載の罰則等

当記事では、株主総会招集通知(参考書類、事業報告、計算書類)の虚偽記載の罰則等についてご説明します。 有価証券報告書の虚偽記載については「有価証券報告書の信憑性(虚偽記載の罰則等)」をご参照ください。 …

会社(大会社、上場会社)と企業(大企業、上場企業)の違いは?どっちで呼ぶ?

「上場会社」「上場企業」のどちらで呼ぶのが正しいのでしょうか? 当サイト「株式総務」は上場会社の「株式に関する総務の業務」を解説しているウェブサイトですので、閲覧いただいている方は上場会社の勤務の方が …



名前:
火星に似たもの

職業:
とある会社で株式総務を担当しています。
株式総務に関するウェブサイトが少ないな、あると便利なのにな、と思い、拙くも開設してみました。