決算(決算開示)や株(株式)に関連して「45日ルール」という言葉を聞いたことはありますか?
当記事では、「45日ルール」の意味と、休日(土日・祝日)の扱いについて、確認したいと思います。
目次
決算の45日ルールとは?休日(土日)の扱いは?
一般的には決算短信(四半期決算短信)の開示時期を指している。
「45日ルール」という言葉は法令等で定められたものではありません。
ただし、一般的には、決算短信(四半期決算短信)の開示時期(決算開示)を指していることが多いです。
以下に、決算短信(四半期決算短信)の開示時期について定める取引所規則について、また、同様に45日以内の提出が義務付けられている四半期報告書について、ご説明します。
取引所規則
取引所規則として、東京証券取引所の有価証券上場規程(以下「有価証券上場規程」といいます。)を例にとって説明します。
有価証券上場規程には、決算短信(四半期決算短信)の開示時期について、「内容が定まった場合は、直ちに」としか定められていません。
ただし、東京証券取引所は、「決算短信・四半期決算短信作成要領等」において、より具体的な提出時期として、期末(四半期末)から45日以内の開示(50日を超える場合はその理由等の開示)を求めています。
なお、45日目が土日・祝日などの休日である場合は、翌営業日以内とされています。
(決算短信等)
第404条
上場会社は、事業年度若しくは四半期累計期間又は連結会計年度若しくは四半期連結累計期間に係る決算の内容が定まった場合は、直ちにその内容を開示しなければならない。
〔決算短信の開示時期について〕
(略)
・ とりわけ、事業年度又は連結会計年度に係る決算については、遅くとも決算期末後45日(45日目が休日である場合は、翌営業日)以内に内容のとりまとめを行い、その開示を行うことが適当であり、決算期末後30日以内(期末が月末である場合は、翌月内)の開示が、より望ましいものと考えられます。
(略)
・ なお、事業年度又は連結会計年度に係る決算の内容の開示時期が、決算期末後50日(50日目が休日である場合は、その翌営業日)を超えることとなった場合には、決算の内容の開示後遅滞なく、その理由(開示時期が決算期末後50日を超えることとなった事情)及び翌事業年度又は翌連結会計年度以降における決算の内容の開示時期に係る見込み又は計画について開示してください。〔四半期決算短信の開示時期について〕
・ 四半期決算の内容の開示については、金商法に基づく四半期報告書の法定提出期限が45日とされていることを踏まえ、上述の「決算発表の早期化の要請」の対象としておりません。
四半期報告書
同様に、四半期末から45日以内の提出が求められている四半期報告書について、金融商品取引法では、以下の通り定められています。
なお、45日目が土日・祝日などの休日である場合は、行政機関の休日に関する法律の定めにより、休日の翌日が提出期限となります。
参考までに、有価証券報告書の提出期限は、内国会社であれば期末から3ヵ月以内です。
(四半期報告書の提出)
第二十四条の四の七 第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち、第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるもの(以下この項及び次項において「上場会社等」という。)は、その事業年度が三月を超える場合は、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の期間を三月ごとに区分した各期間(政令で定める期間を除く。以下同じ。)ごとに、当該会社の属する企業集団の経理の状況その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項(以下この項において「四半期報告書記載事項」という。)を記載した報告書(以下「四半期報告書」という。)を、当該各期間経過後四十五日以内の政令で定める期間内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)に、内閣総理大臣に提出しなければならない。
(以下略)
(期限の特例)
第二条 国の行政庁(各行政機関、各行政機関に置かれる部局若しくは機関又は各行政機関の長その他の職員であるものに限る。)に対する申請、届出その他の行為の期限で法律又は法律に基づく命令で規定する期間(時をもつて定める期間を除く。)をもつて定めるものが行政機関の休日に当たるときは、行政機関の休日の翌日をもつてその期限とみなす。ただし、法律又は法律に基づく命令に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(有価証券報告書の提出)
第二十四条 有価証券の発行者である会社は、その会社が発行者である有価証券(特定有価証券を除く。次の各号を除き、以下この条において同じ。)が次に掲げる有価証券のいずれかに該当する場合には、内閣府令で定めるところにより、事業年度ごとに、当該会社の商号、当該会社の属する企業集団及び当該会社の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書(以下「有価証券報告書」という。)を、内国会社にあつては当該事業年度経過後三月以内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)、外国会社にあつては公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内に、内閣総理大臣に提出しなければならない。
(以下略)
備考(新型コロナウイルス感染症に伴う提出期限の延長等)
新型コロナウイルス感染症への対応として、決算短信(四半期決算短信)は時期にとらわれず開示すること、有価証券報告書(四半期報告書)等は令和2年9月30日まで提出期限を延長することとされています。
決算短信(四半期決算短信)
東京証券取引所より、「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた適時開示実務上の取扱い」が発表されています。
1.決算及び四半期決算の内容の開示
通期の決算内容及び四半期決算内容につきまして、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により決算手続き等に遅延が生じ、速やかに決算内容等を確定することが困難となった場合には、「事業年度の末日から45日以内」などの時期にとらわれず、確定次第にご開示いただくことで差し支えありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、大幅に決算内容等の確定時期が遅れることが見込まれる場合には、その旨(及び確定時期の見込みがある場合には、その時期)の適時開示をご検討ください。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、有価証券報告書又は四半期報告書の提出期限の延長申請を行うことを決定した場合には、その旨の適時開示が必要となりますのでご留意ください。
有価証券報告書(四半期報告書)等
金融庁より、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を踏まえた有価証券報告書等の提出期限の延長について」、「「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の一部改正について」が発表されています。
当サイトの「コロナウイルスに関する定時株主総会と有価証券報告書の関係は?」もご参照ください。
○ 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、4月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されました。これに伴い、今後、3月決算企業をはじめとする多くの企業において、決算業務や監査業務を例年どおりに進めることが困難になることが想定されます。
○ こうした状況を踏まえ、企業や監査法人が、決算業務や監査業務のために十分な時間を確保できるよう、金融商品取引法に基づく有価証券報告書等(注)の提出期限について、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等を改正し、企業側が個別の申請を行わなくとも、一律に本年9月末まで延長しました。
(注)有価証券報告書のほか、四半期報告書、半期報告書、親会社等状況報告書、外国会社報告書、外国会社四半期報告書及び外国会社半期報告書等を含みます(それぞれ、令和2年4月20日から同年9月29日までの期間に提出期限が到来するものが対象です。例えば、12月決算の場合、第1四半期及び第2四半期に係る四半期報告書の提出期限がともに本年9月末まで延長されます。)。また、本改正に伴い、有価証券報告書等と併せて提出される内部統制報告書と確認書の提出期限も、本年9月末まで延長されます。
まとめ
45日ルールとは、一般的には、決算短信(四半期決算短信)の開示時期(期末(四半期末)から45日以内)を指しています。
45日目が、土日・祝日などの休日の場合は、休日の翌営業日以内が開示時期となります。