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会計のルールは法律?会計基準とは?

投稿日:2020年7月6日 更新日:

会計のルールはどのように定められているかご存じでしょうか?
言い換えれば、決算書はどのようなルールで作られているかご存じでしょうか?
そのルールは、法律で定められているのでしょうか、それ以外のもので定められているのでしょうか?

当記事では、会計のルールがどのように定められているか、ご説明したいと思います。




会計のルールは法律?会計基準?

法令の定め

まず、法令を確認してみます。
決算書は何種類ある?いくつある?」でご紹介したように、会社の決算に関係する法律は、3つ(会社法、金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)、法人税法。)ありますので、その3つの法律及びそれらに関連する法令を確認したいと思います。
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第一節 会計の原則
第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。

会社法

(会計慣行のしん酌)
第三条 この省令の用語の解釈及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の企業会計の慣行をしん酌しなければならない。

会社計算規則

(財務諸表の用語、様式及び作成方法)
第百九十三条 この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。

金融商品取引法

第二款 各事業年度の所得の金額の計算の通則
第二十二条
(略)
2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
(略)
4 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

法人税法

一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行、GAAP)

法令上、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行)」が、会計のルールであるとご理解いただけたと思います。

「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行)」は、英語では、Generally Accepted Accounting Principles(略して「GAAP」)と言われています。

「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行)」について、以下、略して「会計基準」といいます。

会計基準は、別の法令で定められているのでしょうか?
また、どのように構成されているのでしょうか?

会計基準の設定主体

結論から言うと、会計基準は法令では定められていません。

それでは、だれが定めているのでしょうか?

かつては、旧大蔵省・現金融庁の諮問機関である「企業会計審議会」が定めてきました。
その後、会計基準の設定主体が民間団体でなければならないと国際的に求められ、2001年に設立された財団法人財務会計基準機構内の「企業会計基準委員会」が定めるようになりました。

なお、会計基準を「企業会計審議会」及び「企業会計基準委員会」が定めてきたことについては、金商法の関連法令である以下の法令等からも読み取れます。
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(適用の一般原則)
第一条 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号。以下「法」という。)第五条、第七条第一項、第九条第一項、第十条第一項、第二十四条第一項若しくは第三項(これらの規定を同条第五項において準用する場合を含む。)又は同条第六項(これらの規定のうち法第二十四条の二第一項において準用する場合及びこの規則を適用することが適当なものとして金融庁長官が指定した法人(以下「指定法人」という。)についてこれらの規定を法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定により提出される財務計算に関する書類(以下「財務書類」という。)のうち、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書(これらの財務書類に相当するものであつて、指定法人の作成するもの及び第二条の二に規定する特定信託財産について作成するものを含む。以下同じ。)並びに附属明細表又は第百二十九条第二項の規定により指定国際会計基準(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和五十一年大蔵省令第二十八号。以下「連結財務諸表規則」という。)第九十三条に規定する指定国際会計基準をいう。以下同じ。)により作成する場合において当該指定国際会計基準により作成が求められる貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書に相当するものをいう。以下同じ。)の用語、様式及び作成方法は、第一条の三を除き、この章から第八章までの定めるところによるものとし、この規則において定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。
2 金融庁組織令(平成十年政令第三百九十二号)第二十四条第一項に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。
3 企業会計の基準についての調査研究及び作成を業として行う団体であつて次に掲げる要件の全てを満たすものが作成及び公表を行つた企業会計の基準のうち、公正かつ適正な手続の下に作成及び公表が行われたものと認められ、一般に公正妥当な企業会計の基準として認められることが見込まれるものとして金融庁長官が定めるものは、第一項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。
一 利害関係を有する者から独立した民間の団体であること。
二 特定の者に偏ることなく多数の者から継続的に資金の提供を受けていること。
三 高い専門的見地から企業会計の基準を作成する能力を有する者による合議制の機関(次号及び第五号において「基準委員会」という。)を設けていること。
四 基準委員会が公正かつ誠実に業務を行うものであること。
五 基準委員会が会社等(会社、指定法人、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)を取り巻く経営環境及び会社等の実務の変化への適確な対応並びに国際的収れん(企業会計の基準について国際的に共通化を図ることをいう。)の観点から継続して検討を加えるものであること。
4 金融庁長官が、法の規定により提出される財務諸表に関する特定の事項について、その作成方法の基準として特に公表したものがある場合には、当該基準は、この規則の規定に準ずるものとして、第一項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に優先して適用されるものとする。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

(適用の一般原則)
第一条 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号。以下「法」という。)第五条、第七条第一項、第九条第一項、第十条第一項又は第二十四条第一項若しくは第三項(これらの規定のうち第二十四条の二第一項において準用し、及び財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号。以下「財務諸表等規則」という。)第一条第一項の規定により金融庁長官が指定した法人(以下「指定法人」という。)についてこれらの規定を法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定により提出される財務計算に関する書類のうち、連結財務諸表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結附属明細表又は第九十三条の規定により指定国際会計基準(同条に規定する指定国際会計基準をいう。以下この項及び次条第二号において同じ。)により作成する場合若しくは第九十四条の規定により修正国際基準(同条に規定する修正国際基準をいう。以下この項及び第一条の三第二号において同じ。)により作成する場合において当該指定国際会計基準若しくは当該修正国際基準により作成が求められる連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書に相当するものをいう。以下同じ。)の用語、様式及び作成方法は、財務諸表等規則第一条の三の規定の適用を受けるものを除き、この規則の定めるところによるものとし、この規則において定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。
2 金融庁組織令(平成十年政令第三百九十二号)第二十四条第一項に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。
3 企業会計の基準についての調査研究及び作成を業として行う団体であつて次に掲げる要件の全てを満たすもの(第九十四条において「特定団体」という。)が作成及び公表を行つた企業会計の基準のうち、公正かつ適正な手続の下に作成及び公表が行われたものと認められ、一般に公正妥当な企業会計の基準として認められることが見込まれるものとして金融庁長官が定めるものは、第一項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。
一 利害関係を有する者から独立した民間の団体であること。
二 特定の者に偏ることなく多数の者から継続的に資金の提供を受けていること。
三 高い専門的見地から企業会計の基準を作成する能力を有する者による合議制の機関(次号及び第五号において「基準委員会」という。)を設けていること。
四 基準委員会が公正かつ誠実に業務を行うものであること。
五 基準委員会が会社等(会社、指定法人、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)を取り巻く経営環境及び会社等の実務の変化への適確な対応並びに国際的収れん(企業会計の基準について国際的に共通化を図ることをいう。)の観点から継続して検討を加えるものであること。

連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則

会計基準の構成

会計基準は「企業会計審議会」及び「企業会計基準委員会」が設定した多数の基準から構成されており、「企業会計原則」がその中心です。
また、会計ビッグバンと呼ばれる国際会計基準へのコンバージェンス(収斂(収れん)、共通化)が進められてきました。

上記は日本の会計基準の説明ですが、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)を採用することも2010年3月期から認められ、また実際に採用する企業が増えているのもご認識の通りです。

まとめ

決算書は会計のルールに基づき、作成されています。
会計のルール(会計基準)は法律では定められておらず、「企業会計基準委員会」等の団体によって定められています。
ただ、会社への拘束力がありますので、慣習法とはいえるかもしれないですね。

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名前:
火星に似たもの

職業:
とある会社で株式総務を担当しています。
株式総務に関するウェブサイトが少ないな、あると便利なのにな、と思い、拙くも開設してみました。