監査等委員設置会社の監査等委員の選任方法、指名委員会等設置会社の監査委員の選定方法の違いをご存じですか?
当記事では、監査等委員の選任方法、監査委員の選定方法の違いについて、ご説明します。
なお、選任と選定の違いについては、「選任と選定の違い、解任と解職の違い(会社法)」もご参照ください。
監査等委員の選任方法、監査委員の選定方法の違い
監査等委員設置会社の監査等委員の選任方法
監査等委員設置会社の監査等委員である取締役は、それ以外の取締役として区別して株主総会の決議によって選任することとなっております。
つまり、株主総会の取締役選任議案が記載された株主総会参考書類において、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役は区別されており、株主は、その区別を認識したうえで、議決権を行使することとなります。
指名委員会等設置会社の監査委員の選定方法
指名委員会等設置会社では、株主総会で取締役を選任し、監査委員会を含む各委員会の委員は取締役の中から取締役会(一般的に、株主総会終了直後に開催。)の決議によって選定されます。
つまり、株主総会の時点では、誰が監査委員となるかわからないまま、株主が議決権を行使することも起こりえます。
ただし、株主総会の取締役選任議案が記載された株主総会参考書類において、各委員会の委員候補が記載されることが一般的です。
法令の定め
最後に、参考までに、上記の内容に関する会社法の定めを引用します。
(選任)
第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。
2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。
3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。(委員の選定等)
第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。
2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。
(略)
まとめ
監査等委員設置会社の監査等委員は株主総会で選任される。
指名委員会等設置会社の監査委員は株主総会終了後の取締役会で選定される。