証券取引所規則に関する制度ディスクロージャーを担当した際、業績予想の修正に該当する条件について、覚えるのに苦労する方もおられるのではと思います。
自分もその一人です。
そこで、簡易的な覚え方を以下にご紹介します。
業績予想の修正に該当する条件
正確な条件
まずは、業績予想の修正に該当する条件の正確なものを確認しましょう。
証券取引所規則のうち、例えば、東京証券取引所の有価証券上場規程及び有価証券上場規程施行規則では、以下の通り定められています。
(予想値の修正等)
第405条
上場会社は、当該上場会社の属する企業集団の売上高、営業利益、経常利益又は純利益(上場会社がIFRS任意適用会社である場合は、売上高、営業利益、税引前利益、当期利益又は親会社の所有者に帰属する当期利益)について、公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前連結会計年度の実績値)に比較して当該上場会社が新たに算出した予想値又は当連結会計年度の決算において差異(投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとして施行規則で定める基準に該当するものに限る。)が生じた場合は、直ちにその内容を開示しなければならない。
2 上場会社は、当該上場会社の剰余金の配当について予想値を算出した場合は、直ちにその内容を開示しなければならない。
3 上場会社は、法第166条第2項第3号に掲げる事実が生じた場合(前2項に規定する場合を除く。)又は同条第2項第7号に掲げる事実が生じた場合は、直ちにその内容を開示しなければならない。
4 連結財務諸表を作成すべき会社でない会社に対する第1項の規定の適用については、同項中「当該上場会社の属する企業集団」とあるのは「当該上場会社」と、「連結会計年度」とあるのは「事業年度」とする。
(上場会社の予想値の修正)
第407条
規程第405条第1項に規定する投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとして施行規則で定める基準は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めることとする。
(1) 企業集団の売上高
新たに算出した予想値又は当連結会計年度の決算における数値を公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前連結会計年度の実績値)で除して得た数値が1.1以上又は0.9以下であること。
(2) 企業集団の営業利益
新たに算出した予想値又は当連結会計年度の決算における数値を公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前連結会計年度の実績値)で除して得た数値が1.3以上又は0.7以下(公表がされた直近の予想値又は当該予想値がない場合における公表がされた前連結会計年度の実績値がゼロの場合はすべてこの基準に該当することとする。)であること。
(3) 企業集団の経常利益(上場会社がIFRS任意適用会社である場合は、税引前利益)
新たに算出した予想値又は当連結会計年度の決算における数値を公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前連結会計年度の実績値)で除して得た数値が1.3以上又は0.7以下(公表がされた直近の予想値又は当該予想値がない場合における公表がされた前連結会計年度の実績値がゼロの場合はすべてこの基準に該当することとする。)であること。
(4) 企業集団の純利益(上場会社がIFRS任意適用会社である場合は、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益)
新たに算出した予想値又は当連結会計年度の決算における数値を公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前連結会計年度の実績値)で除して得た数値が1.3以上又は0.7以下(公表がされた直近の予想値又は当該予想値がない場合における公表がされた前連結会計年度の実績値がゼロの場合はすべてこの基準に該当することとする。)であること。
2 連結財務諸表を作成すべき会社でない会社に対する前項の規定の適用については、同項中「企業集団」とあるのは「上場会社」と、「連結会計年度」とあるのは「事業年度」とする。
引用は以上の通りです。
これを覚えようとしたら、ひと苦労です。
なんとか、簡略化して覚えたいものです。
特に、ご担当された直後は、そう思われる方が多いと思います。
簡易的な覚え方
大まかな条件としては、売上なら10%、各段階利益なら30%、公表済の予想値と異なる場合、業績予想の修正の適時開示をしなければならないということです。
そこで、以下のように、唱えるように覚えてしまいましょう。
売上10(パーセント)
利益30(パーセント)
もちろん、正確な条件ではありませんので、その上で、条件に該当するおそれがある場合は、精緻に確認いただくと、よろしいかなと思います。
まとめ
売上10(パーセント)
利益30(パーセント)
と簡易的に覚えた上で、条件に該当するおそれがある場合は、精緻に確認しましょう。