株式総務

株式に関する業務を中心とした総務の業務を解説します。

会社法

会社の組織変更は、部門の新設や廃止ではない?

投稿日:2020年10月6日 更新日:

「組織変更に関するお知らせ」といった任意の適時開示をしている会社があります。

内容は、部門の新設や廃止等であることが多いです。

ただ、会社法上、組織変更をしたら、株式会社は株式会社ではなくなってしまうのです。

当記事では、会社の組織変更は、部門の新設や廃止であるか否かについて、ご説明します。





会社の組織変更は、部門の新設や廃止ではない?

会社法上、会社の組織変更は、部門の新設や廃止ではない!

会社法では、株式会社が持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)に変わること、および、持分会社が株式会社に変わることを組織変更といいます。

つまり、部門の新設や廃止等を記載した「組織変更に関するお知らせ」といった任意の適時開示は、場合によっては、場合によっては大きな誤解を招くこともあるのです。

法令の定め

最後に、参考までに、上記の内容に関する会社法の定めを引用します。

(組織変更計画の作成)
第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。

(株式会社の組織変更計画)
第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別
(略)

(株式会社の組織変更の効力の発生等)
第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。
(略)

(持分会社の組織変更計画)
第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
(略)

(持分会社の組織変更の効力の発生等)
第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。
(略)

会社法

まとめ

部門の新設や廃止等を記載した「組織変更に関するお知らせ」といった任意の適時開示は、場合によっては、場合によっては大きな誤解を招くこともあるので注意しましょう。

広告

広告

-会社法

執筆者:

関連記事

決算書の端数処理は切捨て?切上げ?四捨五入?

株式総務担当として、株主総会招集通知の事業報告(会社法)や、有価証券報告書の非財務情報(金融商品取引法)を作成するとき、また、経理の作成した決算書(計算書類、財務諸表)を確認するとき、記載金額の端数処 …

株主総会の閉会宣言は重要です

株主総会の閉会宣言を忘れていませんか? 当記事では、株主総会の閉会宣言の重要性について、ご説明します。 目次1 株主総会の閉会宣言は重要です1.1 終了していないと見なされないために。1.2 議事録に …

株式会社、社団法人、国家を比較してみると株式会社がもっとわかる。

以下の二つの記事で、会社の定款の捉え方や、株式会社にとって社員とは誰にあたるのかをご説明しました。 定款は会社の憲法! 株式会社の社員は株主! 当記事では、引き続き、株式会社、社団法人、国家を比較して …

役員の逝去による退任時の手続き

役員の逝去による退任時にはどのような手続きが必要なのでしょうか? 当記事では、役員の逝去による退任時の手続きについて、ご説明します。 (対象者が代表取締役でない場合を想定しています。) 目次1 役員の …

株主総会招集通知の構成

当記事では、株主総会招集通知(以下「招集通知」と言います。)の作成実務担当者である当サイト「株式総務」の運営者が、招集通知の構成をご説明したいと思います。 招集通知の閲覧または作成の際に、参考になれば …



名前:
火星に似たもの

職業:
とある会社で株式総務を担当しています。
株式総務に関するウェブサイトが少ないな、あると便利なのにな、と思い、拙くも開設してみました。