以下の二つの記事で、会社の定款の捉え方や、株式会社にとって社員とは誰にあたるのかをご説明しました。
当記事では、引き続き、株式会社、社団法人、国家を比較してご説明したいと思います。株式会社についての理解の一助になれば幸いです。
「会社は誰のものか」というよくある議論にかかわる内容かもしれません。
株式会社、社団法人、国家を比較してみると株式会社がもっとわかる。
国家を社団法人とみなしてみる。
株式会社は社団法人の一つです。
国家が法人であることに異論がある人はいないと思いますが、社団であるという考えには議論があるかもしれません。
ただ、国家を社団法人とみなすと、株式会社について理解しやすいので、当記事では国家を社団法人とみなすこととします。
なお、社団法人については「株式会社の社員は株主!」で説明しています。
構成員(社員)
社団法人には構成員(社員)が必要です。
社団法人の構成員は社員、
株式会社の構成員は株主、
国家の構成員は国民です。
基本的な原則
社団法人には、構成員が社団法人に力を与え、または力を制限する基本的な原則があります。
社団法人の基本的な原則は定款その他の基本約款、
(定款と定められている社団法人が多いですが、労働組合法における労働組合や、地方自治法における認可地縁団体では、「規約」と定められています。)
株式会社の基本的な原則は定款、
国家の基本的な原則は憲法です。
(法人の成立等)
第三十三条 法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
2 学術、技芸、慈善、祭祀し、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。(法人の能力)
第三十四条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
被雇用者
社団法人には、基本的な原則に定める目的の実行者として被雇用者がいる場合があります。
株式会社にとっては、我々総務部員もそれに含まれます(当サイト「株式総務」は「株式に関する総務の業務」を担当されている方をユーザーとして想定しています。)。
社団法人の被雇用者は職員・従業員・使用人等、
株式会社の被雇用者は使用人、
国家の被雇用者は公務員です。
まとめ
株式会社、社団法人、国家を比較すると、株式会社についての理解が容易になるかと思いましたが、いかがでしょうか。