金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)の確認書と、経営者確認書の違いについてご存じですか?
似た名称・目的の書類ですが、違いが存在します。
当記事では、金商法の確認書と経営者確認書の違いについて、ご説明します。
上記の記事もご参照ください。
目次
金商法の確認書と経営者確認書の違いは?
金商法の確認書と経営者確認書の共通点
違いの前に、まず共通点を確認しましょう。
どちらも、開示書類・作成書類が、法令等に基づき、適正であることを経営者が確認した旨を記載した書類となっています。
上記の記事もご参照ください。
根拠の違い
金商法の確認書は、金商法です。
経営者確認書は、監査基準委員会報告書(に基づく監査法人からの要請。)です。
提出先の違い
金商法の確認書は、内閣総理大臣(財務局長等)です。
経営者確認書は、監査法人です。
確認範囲の違い
金商法の確認書は、有価証券報告書(非財務情報含む)です。
経営者確認書は、財務諸表(金商法)、連結財務諸表(金商法)、計算書類(附属明細書含む。会社法)、連結計算書類(会社法)です。
確認基準の違い
金商法の確認書は、金融商品取引法令(金商法又は金商法に基づく命令)です。
経営者確認書は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準等です。
開示(公衆縦覧)の有無
金商法の確認書は、EDINETにより開示されます。
経営者確認書は、開示されません(監査法人が受領するだけです。)。
参考までに、金商法の定めを引用します。
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(有価証券届出書等の公衆縦覧)
第二十五条 内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる書類(以下この条及び次条第一項において「縦覧書類」という。)を、当該縦覧書類を受理した日から当該各号に定める期間を経過する日(当該各号に掲げる訂正届出書、訂正発行登録書、訂正報告書又は訂正確認書にあつては、当該訂正の対象となつた当該各号に掲げる第五条第一項及び第十三項の規定による届出書及びその添付書類、同条第四項の規定の適用を受ける届出書及びその添付書類、発行登録書及びその添付書類、有価証券報告書及びその添付書類、確認書、内部統制報告書及びその添付書類、四半期報告書、半期報告書、臨時報告書、自己株券買付状況報告書又は親会社等状況報告書に係る当該経過する日、第五号及び第九号に掲げる確認書(当該確認書の対象が有価証券報告書及びその添付書類の訂正報告書、四半期報告書の訂正報告書又は半期報告書の訂正報告書である場合に限る。)にあつては、当該訂正の対象となつた有価証券報告書及びその添付書類、四半期報告書又は半期報告書に係る当該経過する日)までの間、公衆の縦覧に供しなければならない。
(略)
五 第二十四条の四の二の規定による確認書及びその訂正確認書 五年
(略)
まとめ
金商法の確認書と経営者確認書は、どちらも、開示書類・作成書類が、法令等に基づき、適正であることを経営者が確認した旨を記載した書類ですが、その作成根拠の違いから派生して、いくつかの点で異なっています。