有価証券報告書と同時に提出される「確認書」をご存じでしょうか?
また、確認書とはどういったものか、ご存じでしょうか?
当記事では、金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)の確認書とはどういったものか、ご説明します。
金商法の確認書とは?
金商法の確認書とは?
確認書とは、有価証券報告書、半期報告書、四半期報告書(以下「有価証券報告書等」といいます。)の記載内容が、金融商品取引法令(金商法又は金商法に基づく命令)に基づき適正であることを、代表者及び最高財務責任者が確認した旨を記載した書類です。
確認書が必要となった背景
有価証券報告書等の虚偽記載に関連する事件(西武鉄道、ライブドア、カネボウ等)が相次いだ際、「虚偽記載を知らなかった。」という経営者からの言い訳を許さないために義務化されました。
確認書の成り立ち
2004年にEDINET(金商法に基づく開示書類に関する電子開示システム)による提出が義務付けられる前は、書面で(つまり、代表者が実際に署名をして。)提出していました。
2006年に証券取引法が改正され、金商法となりましたが、証券取引法では、確認書の提出は任意となっていました(義務ではない。)。
また、金商法改正前は、確認書と同じ趣旨の書類である「有価証券報告書等の適正性に関する確認書」を取引所に提出すること及び公衆の縦覧に供することを、取引所が義務化していました。
(現在も、株券以外の有価証券(優先株、債券、等。)の発行者には義務化されています。)
法令及び取引所規則の定め
最後に、参考までに、上記の内容に関する金融商品取引法令及び取引所規則の定めを引用します。
取引所規則は、東京証券取引所のものを引用しています。
着色は当サイト「株式総務」の運営者によるものです。
(有価証券報告書の記載内容に係る確認書の提出)
第二十四条の四の二 第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち、第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは、内閣府令で定めるところにより、当該有価証券報告書の記載内容が金融商品取引法令に基づき適正であることを確認した旨を記載した確認書(以下この条及び次条において「確認書」という。)を当該有価証券報告書(第二十四条第八項の規定により同項に規定する有価証券報告書等に代えて外国会社報告書を提出する場合にあつては、当該外国会社報告書)と併せて内閣総理大臣に提出しなければならない。
(略)
(確認書の記載内容等)
第十七条の十 法第二十四条の四の二第一項の規定により確認書を有価証券報告書と併せて提出すべき会社(指定法人を含む。)又は同条第二項(法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定により確認書を有価証券報告書と併せて提出する会社(指定法人を含む。)は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める様式により確認書三通を作成し、財務局長等に提出しなければならない。
一 内国会社である場合 第四号の二様式
二 外国会社である場合 第九号の二様式
(略)
⑹ 有価証券報告書の記載内容の適正性に関する事項
a 確認した有価証券報告書の事業年度を記載すること。なお、有価証券報告書の訂正報告書を確認した場合には、その旨を明記すること。
b 代表者及び最高財務責任者(会社が⑷にいう最高財務責任者を定めている場合に限る。)が有価証券報告書の記載内容が金融商品取引法令に基づき適正であることを確認した旨を記載すること。
c 確認を行った記載内容の範囲が限定されている場合には、その旨及びその理由を記載すること。
(有価証券報告書等の適正性に関する確認書)
第819条
上場優先証券の発行者は、有価証券報告書又は半期報告書を内閣総理大臣等に提出した場合には、当該発行者の代表者がその提出時点において当該有価証券報告書又は半期報告書に不実の記載がないと認識している旨及びその理由を施行規則で定めるところにより記載した書面を遅滞なく当取引所に提出するものとする。この場合において、当該優先証券の発行者は、当該書面を当取引所が公衆の縦覧に供することに同意するものとする。
まとめ
確認書とは、有有価証券報告書等の記載内容が、金融商品取引法令に基づき適正であることを、代表者及び最高財務責任者が確認した旨を記載した書類です。