当サイト「株式総務」は、株式に関する総務の業務(以下「株式総務」といいます。)を解説するウェブサイトですが、株式総務を担当する部門の課長級の職位の方(当記事では、仮に「総務課長」とします。)は、株主総会招集通知、有価証券報告書(以下「有報」といいます。)、コーポレート・ガバナンスに関する報告書(コーポレート・ガバナンス報告書ともいい、以下「CG報告書」といいます。)等の開示書類(総称して以下「開示書類」といいます。)について、部下から確認を依頼された場合、きちんと確認できていますか?
例えば、役員選任理由(社外役員選任理由)について、開示書類間の整合性を気を付けなければいけないと言われた時、その意味するところが分かりますか?
当記事では、開示書類の役員選任理由(社外役員選任理由)の注意点として、開示書類間の整合性を取り上げて、ご説明したいと思います。
目次
【総務課長必見!】開示書類の役員選任理由(社外役員選任理由)の注意点
開示書類間の整合性とは?
役員選任理由(社外役員選任理由)について、株主総会参考書類にのみ記載されている、と思っている総務課長はいませんか?
それは大いなる間違いです。
多くの場合、4つの開示書類に役員選任理由(社外役員選任理由)が記載されています。
その4つの開示書類について、すぐに思い浮かびますか?
そして、当然のことながら、その4つの開示書類で記載されている役員選任理由(社外役員選任理由)が異なっていてはいけないわけです。
総務課長は、4つの開示書類で記載されている役員選任理由(社外役員選任理由)の整合性を、必ずチェックする必要があります。
以下、参考として、実際に4つの開示書類を取り上げてご説明します。
なお、ディスクロージャー支援会社である株式会社プロネクサスの開示書類を例にさせていただいています。
株式会社プロネクサスについては、「ディスクロージャー支援会社(㈱プロネクサス、宝印刷㈱(㈱TAKARA&COMPANY))のシェアは?」もご参照ください。
(会社法)株主総会参考書類
株主総会招集通知(広義)の株主総会参考書類(議案)の取締役選任議案、監査役選任議案等に役員選任理由が記載されています。
(法令上は、社外役員の選任理由だけでよいのですが、最近は、コーポレートガバナンス・コードの定めに従い、それ以外の役員の選任理由も記載している会社も多いです。)
株主総会招集通知の構成については、「株主総会招集通知の構成」もご参照ください。
(金融商品取引法)有価証券報告書
有報の第一部【企業情報】の第4【提出会社の状況】の4【コーポレート・ガバナンスの状況等】の(2)【役員の状況】の「社外役員の状況」欄に、社外役員選任理由が記載されています。
(取引所規則)独立役員届
独立役員届出書の3.独立役員の属性・選任理由の説明の選任の理由欄に、社外役員選任理由が記載されています。
(独立役員届出書は、社外役員について記載する書類です。)
(取引所規則)コーポレート・ガバナンスに関する報告書
CG報告書のⅡ経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況の1.機関構成・組織運営等に係る事項の【取締役関係】及び【監査役関係】の選任の理由欄に、社外役員選任理由が記載されています。
(CG報告書の当該項目は、独立役員届出書と同じく、社外役員について記載する項目です。)
まとめ
総務課長は、4つの開示書類(株主総会参考書類、有価証券報告書、独立役員届、コーポレート・ガバナンスに関する報告書。)で記載されている役員選任理由(社外役員選任理由)の整合性を、必ずチェックしてください!