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連結(連結法)と持分法の適用基準は?子会社は連結、関連会社は持分法?

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子会社には連結(連結法)を、関連会社は持分法を用いるものだと思い込んでいませんか?
連結子会社、持分法適用非連結子会社、持分法非適用非連結子会社、持分法適用関連会社、持分法非適用関連会社について、区別ができますか?

当記事では、連結(連結法)と持分法の適用基準についてご説明したいと思います。

子会社、関連会社、関係会社、親会社、孫会社、兄弟会社、グループ会社の違いは?
その他の関係会社とは?関連会社、関係会社との違いは?
子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社、関係会社の法令の定義

上記記事もご参照ください。





連結(連結法)と持分法の適用基準は?子会社は連結、関連会社は持分法?

連結の範囲

子会社は、原則として、連結の範囲に含まなければなりません。

ただし、例外として、連結の範囲に含めない場合(支配が一時的であると認められる場合、等。)や、連結の範囲から除くことができる場合(重要性が乏しい場合。)があります。

持分法の適用

関連会社は、原則として、持分法を適用しなければなりません。
加えて、非連結子会社も、原則として、持分法を適用しなければなりません。

ただし、例外として、持分法を適用しない場合(影響が一時的であると認められる場合、等。)や、持分法の適用の対象から除くことができる場合(重要な影響を与えない場合。)があります。

子会社は連結、関連会社は持分法とは限らない。

上記の通り、連結の範囲に含まれない子会社(非連結子会社)や、持分法を適用しない関連会社も存在しますし、非連結子会社の中でも、持分法を適用する場合と、適用しない場合があります。

表にまとめると以下の通りとなります。

支配力基準 影響力基準 連結 持分法
連結子会社
× 持分法適用非連結子会社
× 持分法非適用非連結子会社
× 持分法適用関連会社
× 持分法非適用関連会社
× 子会社でも関連会社でもない

法令の定義

連結の範囲及び持分法の適用について、会社法関連法令及び金融商品取引法関連法令(以下「金商法関連法令」といい、会社法関連法令とあわせて以下「関連法令」といいます。)では、以下の通り定められています。

会社法関連法令及び金商法関連法令では、文言は若干異なりますが、同様の定義がなされています。

会計基準でも同様の定義がなされていますが、本記事では、関連法令のみから引用します。

第三款 連結計算書類
第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。

会社法

(定義)
第二条
(略)
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(略)
十九 連結子会社 連結の範囲に含められる子会社をいう。
二十 非連結子会社 連結の範囲から除かれる子会社をいう。
(略)
二十三 持分法 投資会社が、被投資会社の純資産及び損益のうち当該投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の金額を各事業年度ごとに修正する方法をいう。
(略)

(連結の範囲)
第六十三条 株式会社は、その全ての子会社を連結の範囲に含めなければならない。ただし、次のいずれかに該当する子会社は、連結の範囲に含めないものとする。
一 財務及び事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)に対する支配が一時的であると認められる子会社
二 連結の範囲に含めることにより当該株式会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社
2 前項の規定により連結の範囲に含めるべき子会社のうち、その資産、売上高(役務収益を含む。以下同じ。)等からみて、連結の範囲から除いてもその企業集団の財産及び損益の状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲から除くことができる。

(持分法の適用)
第六十九条 非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法により計算する価額をもって連結貸借対照表に計上しなければならない。ただし、次のいずれかに該当する非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法を適用しないものとする。
一 財務及び事業の方針の決定に対する影響が一時的であると認められる関連会社
二 持分法を適用することにより株式会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる非連結子会社及び関連会社
2 前項の規定により持分法を適用すべき非連結子会社及び関連会社のうち、その損益等からみて、持分法の適用の対象から除いても連結計算書類に重要な影響を与えないものは、持分法の適用の対象から除くことができる。

会社計算規則

(財務諸表の用語、様式及び作成方法)
第百九十三条 この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。

金融商品取引法

(定義)
第二条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(略)
四 連結子会社 連結の範囲に含められる子会社をいう。
(略)
六 非連結子会社 連結の範囲から除かれる子会社をいう。
(略)
八 持分法 投資会社が、被投資会社の純資産及び損益のうち当該投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の金額を各事業年度ごとに修正する方法をいう。
(略)

(連結の範囲)
第五条 連結財務諸表提出会社は、そのすべての子会社を連結の範囲に含めなければならない。ただし、次の各号の一に該当する子会社は、連結の範囲に含めないものとする。
一 財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)に対する支配が一時的であると認められる子会社
二 連結の範囲に含めることにより連結財務諸表提出会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社
2 前項の規定により連結の範囲に含めるべき子会社のうち、その資産、売上高(役務収益を含む。以下同じ。)、損益、利益剰余金及びキャッシュ・フローその他の項目からみて、連結の範囲から除いても企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲から除くことができる。
(略)

(持分法の適用)
第十条 非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法により計算した価額をもつて連結貸借対照表に計上しなければならない。ただし、次の各号の一に該当する会社に対する投資については、持分法を適用しないものとする。
一 財務及び営業又は事業の方針の決定に対する影響が一時的であると認められる関連会社
二 持分法を適用することにより連結財務諸表提出会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる非連結子会社及び関連会社
2 前項の規定により持分法を適用すべき非連結子会社及び関連会社のうち、その損益及び利益剰余金その他の項目からみて、持分法の適用の対象から除いても連結財務諸表に重要な影響を与えないものは、持分法の適用の対象から除くことができる。

連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則

まとめ

連結(連結法)と持分法の適用基準についてご説明しました。
連結の範囲に含まれない子会社(非連結子会社)や、持分法を適用しない関連会社も存在しますし、非連結子会社の中でも、持分法を適用する場合と、適用しない場合があります。

子会社、関連会社、関係会社、親会社、孫会社、兄弟会社、グループ会社の違いは?
その他の関係会社とは?関連会社、関係会社との違いは?
子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社、関係会社の法令の定義

上記記事もご参照ください。

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名前:
火星に似たもの

職業:
とある会社で株式総務を担当しています。
株式総務に関するウェブサイトが少ないな、あると便利なのにな、と思い、拙くも開設してみました。