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子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社、関係会社の法令の定義

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子会社、関連会社、関係会社、親会社、孫会社、兄弟会社、グループ会社の違いは?
その他の関係会社とは?関連会社、関係会社との違いは?

上記記事で、子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社、関係会社についてご説明しましたが、当記事では、子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社、関係会社の法令の定義についてご説明したいと思います。





子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社、関係会社の法令の定義

関連する法令

子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社、関係会社の定義については、会社法関連法令及び金融商品取引法関連法令(以下「金商法関連法令」といい、会社法関連法令とあわせて以下「関連法令」といいます。)に定められています。

会社法関連法令及び金商法関連法令では、文言は若干異なりますが、同様の定義がなされています。

会計基準でも同様の定義がなされていますが、本記事では、関連法令のみから引用します。

子会社及び親会社の定義

A社がB社の財務及び事業の方針の決定を支配している場合、A社はB社の親会社であり、B社はA社の子会社ということになります。

財務及び事業の方針の決定を支配しているかどうかの基準を支配力基準といい、表にすると以下のようにまとめられます。
単純に、議決権だけで整理できるわけではありません。

議決権
(自社のみ)
議決権
(自社+要件を満たすもの)
議決権以外の要件 支配力基準
50%超
40%以上50%以下 50%超
40%以上50%以下 満たす
満たさない ×
40%未満 50%超 満たす
満たさない ×
40%以上50%以下 満たす ×

要件を満たす者とは、自社と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者などです。
議決権以外の要件とは、重要な財務及び事業の方針の決定を支配する契約等が存在することなどです。
いずれも、詳細は、以下の関連法令をご参照ください。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(略)
三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
(略)

会社法

(子会社及び親会社)
第三条 法第二条第三号に規定する法務省令で定めるものは、同号に規定する会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等とする。
2 法第二条第四号に規定する法務省令で定めるものは、会社等が同号に規定する株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該会社等とする。
3 前二項に規定する「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は事業上の関係からみて他の会社等の財務又は事業の方針の決定を支配していないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう(以下この項において同じ。)。
一 他の会社等(次に掲げる会社等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の総数に対する自己(その子会社及び子法人等(会社以外の会社等が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等をいう。)を含む。以下この項において同じ。)の計算において所有している議決権の数の割合が百分の五十を超えている場合
イ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等
ロ 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社
ハ 破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等
ニ その他イからハまでに掲げる会社等に準ずる会社等
二 他の会社等の議決権の総数に対する自己の計算において所有している議決権の数の割合が百分の四十以上である場合(前号に掲げる場合を除く。)であって、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合
イ 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数(次に掲げる議決権の数の合計数をいう。次号において同じ。)の割合が百分の五十を超えていること。
(1) 自己の計算において所有している議決権
(2) 自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者が所有している議決権
(3) 自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権
ロ 他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の総数に対する次に掲げる者(当該他の会社等の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものに限る。)の数の割合が百分の五十を超えていること。
(1) 自己の役員
(2) 自己の業務を執行する社員
(3) 自己の使用人
(4) (1)から(3)までに掲げる者であった者
ハ 自己が他の会社等の重要な財務及び事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ニ 他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額に対する自己が行う融資(債務の保証及び担保の提供を含む。ニにおいて同じ。)の額(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を含む。)の割合が百分の五十を超えていること。
ホ その他自己が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配していることが推測される事実が存在すること。
三 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数の割合が百分の五十を超えている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含み、前二号に掲げる場合を除く。)であって、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合
(略)

会社法施行規則

(財務諸表の用語、様式及び作成方法)
第百九十三条 この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。

金融商品取引法

(定義)
第八条
(略)
3 この規則において「親会社」とは、他の会社等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している会社等をいい、「子会社」とは、当該他の会社等をいう。親会社及び子会社又は子会社が、他の会社等の意思決定機関を支配している場合における当該他の会社等も、その親会社の子会社とみなす。
4 前項に規定する他の会社等の意思決定機関を支配している会社等とは、次の各号に掲げる会社等をいう。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の会社等の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる会社等は、この限りでない。
一 他の会社等(民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社、破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等その他これらに準ずる会社等であつて、かつ、有効な支配従属関係が存在しないと認められる会社等を除く。以下この項において同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等
二 他の会社等の議決権の百分の四十以上、百分の五十以下を自己の計算において所有している会社等であつて、かつ、次に掲げるいずれかの要件に該当する会社等
イ 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の会社等の議決権の過半数を占めていること。
ロ 役員(法第二十一条第一項第一号(法第二十七条において準用する場合を含む。)に規定する役員をいう。以下同じ。)若しくは使用人である者、又はこれらであつた者で自己が他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。
ハ 他の会社等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ニ 他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下この号及び第六項第二号ロにおいて同じ。)を行つていること(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)。
ホ その他他の会社等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。
三 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせた場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)に他の会社等の議決権の過半数を占めている会社等であつて、かつ、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する会社等
(略)

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

関連会社及びその他の関係会社の定義

C社およびD社が親会社・子会社の関係ではなく、C社がD社の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合、C社はD社の関連会社であり、D社はC社のその他の関係会社ということになります。

その他の関係会社とは?関連会社、関係会社との違いは?」もご参照ください。

財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができるどうかの基準を影響力基準といい、表にすると以下のようにまとめられます。
単純に、議決権だけで整理できるわけではありません。

議決権
(自社のみ)
議決権
(自社+要件を満たすもの)
議決権以外の要件 影響力基準
20%以上
15%以上20%未満 満たす
満たさない ×
15%未満 20%以上 満たす
満たさない ×
15%以上20%未満 満たす ×

要件を満たす者とは、自社と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者などです。
議決権以外の要件とは、自社の役員等が代表取締役、取締役に就任していることなどです。
いずれも、詳細は、以下の関連法令をご参照ください。

(定義)
第二条
(略)
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(略)
十八 関連会社 会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該他の会社等(子会社を除く。)をいう。
(略)

会社計算規則

(財務諸表の用語、様式及び作成方法)
第百九十三条 この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。

金融商品取引法

(定義)
第八条
(略)
5 この規則において「関連会社」とは、会社等及び当該会社等の子会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の会社等をいう。
6 前項に規定する子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合とは、次の各号に掲げる場合をいう。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。
一 子会社以外の他の会社等(民事再生法の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等、会社更生法の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社、破産法の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等その他これらに準ずる会社等であつて、かつ、当該会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められる会社等を除く。以下この項において同じ。)の議決権の百分の二十以上を自己の計算において所有している場合
二 子会社以外の他の会社等の議決権の百分の十五以上、百分の二十未満を自己の計算において所有している場合であつて、かつ、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合
イ 役員若しくは使用人である者、又はこれらであつた者で自己が子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該子会社以外の他の会社等の代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。
ロ 子会社以外の他の会社等に対して重要な融資を行つていること。
ハ 子会社以外の他の会社等に対して重要な技術を提供していること。
ニ 子会社以外の他の会社等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。
ホ その他子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。
三 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせた場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)に子会社以外の他の会社等の議決権の百分の二十以上を占めているときであつて、かつ、前号イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合
四 複数の独立した企業(会社及び会社に準ずる事業体をいう。以下同じ。)により、契約等に基づいて共同で支配される企業(以下「共同支配企業」という。)に該当する場合
(略)
8 この規則において「関係会社」とは、財務諸表提出会社の親会社、子会社及び関連会社並びに財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等(第十七項第四号において「その他の関係会社」という。)をいう。
(略)

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

関係会社

子会社、親会社、関連会社及びその他の関係会社を関係会社といいます。
自社は含まれないのでご注意ください。

(定義)
第二条
(略)
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(略)
二十二 関係会社 当該株式会社の親会社、子会社及び関連会社並びに当該株式会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等をいう。
(略)

会社計算規則

(財務諸表の用語、様式及び作成方法)
第百九十三条 この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。

金融商品取引法

(定義)
第八条
(略)
8 この規則において「関係会社」とは、財務諸表提出会社の親会社、子会社及び関連会社並びに財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等(第十七項第四号において「その他の関係会社」という。)をいう。
(略)

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

まとめ

子会社、親会社、関連会社、その他の関係会社及び関係会社について、会社法関連法令及び金融商品取引法関連法令における定義についてご説明しました。
子会社及び親会社に該当するか否かは支配力基準によって判断されます。
関連会社及びその他の関係会社に該当するか否かは影響力基準によって判断されます。

子会社、関連会社、関係会社、親会社、孫会社、兄弟会社、グループ会社の違いは?
その他の関係会社とは?関連会社、関係会社との違いは?

上記記事もご参照ください。

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名前:
火星に似たもの

職業:
とある会社で株式総務を担当しています。
株式総務に関するウェブサイトが少ないな、あると便利なのにな、と思い、拙くも開設してみました。