三文判という言葉を聞いたことはありますか?
実印・認印等の言葉と整理せずに説明されて、混乱したことはありませんか?
当記事では、三文判とは何か、実印になるか、認印でしか使えないか、について説明します。
目次
三文判とは?実印になる?認印でしか使えない?
三文判とは?
会社法や商業登記法を含め、三文判について定めた法律はありません。
三文判とは、一般的に機械彫りで既製品のうちスタンプ印でない印章(朱肉を使うもの。)を指すことが多いです。
三文判ではない、値の張る印章で朱肉を使うものは、既製品ではない注文品(オーダーメイド)で手彫りのため「手掘り印」と呼ばれることが多いです。
機械彫りで既製品のスタンプ印(インキ浸透印)はシャチハタともいわれます。
シャチハタについては、「実印とシャチハタの有効性(効力)は変わらない。」もご参照ください。
三文判について、goo辞書(出典:デジタル大辞泉(小学館))によりますと、以下の通り、定義されています。
三文判(さんもんばん) の意味
さんもん‐ばん【三文判】 の解説
安物の印判。出来合いの粗末な印判。
三文判は実印になる?認印でしか使えない?
実印とは?認印とは?
まず、実印とは会社の代表者印(丸印)のうち、登記所へ印鑑(印影)を提出したもの(登録されたもの。)で、認印とは、会社の代表者印(丸印)のうち、実印以外のものです。
実印及び認印については、「実印とは?認印との違いは?(法人、会社、株式会社)」もご参照ください。
「印鑑提出(印鑑登録)の有無」と「印章の製造方法」は無関係
手彫り印か、三文判か、シャチハタかの違いは、印章の製造方法の違いです。
それは、実印か否か(印鑑提出(印鑑登録)の有無)とは無関係です。
つまり、手彫り印であるから必ず実印であるわけではなく、三文判であるから必ず認印であるわけでもないのです。
(実際にそのような選択をするかは別問題として、)三文判を実印として提出しても良いのです。
法令の定めに則った印影で、登記所が受理すれば、実印として登録されることになります。
印鑑・印章・印影の違いについては「印鑑とは?印章、印影、はんこ(ハンコ、判子)との違いは?」もご参照ください。
法令では以下の通り定められています。
(印鑑の提出)
第二十条 登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ、その印鑑を登記所に提出しなければならない。改印したときも、同様とする。
(略)
(印鑑の提出等)
第九条
(略)
3 印鑑の大きさは、辺の長さが一センチメートルの正方形に収まるもの又は辺の長さが三センチメートルの正方形に収まらないものであつてはならない。
4 印鑑は、照合に適するものでなければならない。
(略)
まとめ
三文判は、一般的に、製造方法が機械彫りで既製品の印章のうち、スタンプ印でない印章(朱肉を使うもの。)を指すことが多いです。
「印鑑提出(印鑑登録)の有無」と「印章の製造方法」は無関係です!