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会社法

監査等委員会設置会社のガバナンスは弱い?

投稿日:2020年9月7日 更新日:

監査役会設置会社より、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社のほうが、ガバナンスが効いている、というのが、一般的なイメージなのではないかと思います。

ただ、個人的には、監査等委員会設置会社が最もガバナンスが効いていないのでは?と思っています。

当記事では、監査等委員会設置会社のガバナンスは弱いのか、またそう思った理由について、ご説明します。





監査等委員会設置会社のガバナンスは弱い?

監査等委員会設置会社の導入の経緯

もともと、監査役会設置会社という機関設計が存在していましたが、監督と経営の分離を目的に、2003年4月施行の株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(商法特例法)の改正により、委員会等設置会社(現:指名委員会等設置会社)という機関設計が導入されました。

ただ、指名委員会等設置会社は、指名委員会・報酬委員会の過半数を社外取締役を選任しなければいけないことなどから、あまり浸透せず、監査役会設置会社と指名委員会等設置会社の中間に位置づけられる機関設計として、監査等委員会設置会社が導入されました。

指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社の概要。委員会設置会社、委員会等設置会社、監査役会設置会社との関係は?」もご参照ください。

監査等委員会設置会社のガバナンスは弱い?

指名委員会等設置会社は、指名委員会・報酬委員会の過半数を社外取締役を選任しなければいけません。
つまり、社外取締役が人事を握る体制であるわけです。
一方で、条件を満たせば、重要な業務執行を取締役会から取締役に委任することが認められます。
これは、執行側としては大きなメリットといえます。

監査等委員会設置会社は、指名委員会・報酬委員会の設置義務はありませんので、指名委員会等設置会社と比較すれば、社外取締役によるガバナンスは効いていないといえます。
しかし、条件を満たせば、重要な業務執行を取締役会から取締役に委任することが認められる、ということは、指名委員会等設置会社と変わりがないのです。

比較的、社外取締役によるガバナンスが効いていないのに、重要な業務執行の委任が認められている。
これは、監査等委員会設置会社のガバナンスは弱い、といえるのではないでしょうか?

法令の定め

最後に、参考までに、上記の内容に関する会社法の定めを引用します。

(取締役会の権限等)
第三百六十二条
(略)
4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二 多額の借財
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
(略)

(監査等委員会設置会社の取締役会の権限)
第三百九十九条の十三
(略)
4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二 多額の借財
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定
二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定
三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定
四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
六 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認
七 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
八 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定
九 前項第六号に掲げる事項
十 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認
十一 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定
十二 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十三 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十四 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十五 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十六 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十七 株式移転計画の内容の決定
6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。

(指名委員会等設置会社の取締役会の権限)
第四百十六条
(略)
4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定
二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定
三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定
四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
六 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認
七 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
八 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職
九 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任
十 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定
十一 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職
十二 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
十三 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認
十四 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定
十五 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十六 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十七 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十八 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十九 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十 株式移転計画の内容の決定

会社法

まとめ

監査等委員会設置会社は、指名委員会等設置会社と比較して、人事を中心とした社外取締役によるガバナンスが効いていないのに、重要な業務執行の委任が認められています。
これは、監査等委員会設置会社のガバナンスは弱い、といえるのではないでしょうか?

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火星に似たもの

職業:
とある会社で株式総務を担当しています。
株式総務に関するウェブサイトが少ないな、あると便利なのにな、と思い、拙くも開設してみました。