新入社員として、また人事異動で、総務部に配属されたとき(あまつさえ、株式総務やIRの担当になったとき)、これからの新しい業務が不安ではないですか?どんな書類を手元に用意しておけば仕事がスムーズに始められるのでしょうか?この記事では、これだけ用意していれば安心していただける、という書類をリストアップしています。
また、上司・先輩として、新入社員や異動社員を迎え入れる方は、既にどんな書類を用意してあげれば良いか把握されていると思いますが、復習のためにご覧いただければ幸いです。
なお、一般的に、総務部の文章業務は多岐にわたっていますが、当サイト「株式総務」および当記事では、株式総務に関する業務のみ、取り扱います。
詳しくは、「当サイト「株式総務」で取り扱う業務、取り扱わない業務は?」をご参照ください。
目次
株式総務の担当になったときに用意する書類・資料はこれだけ。
制度ディスクロージャーに関する書類・資料
まず、制度ディスクロージャーに関する書類・資料をリストアップします。
なお、東京証券取引所に上場している会社を想定しています。
株主総会招集通知
会社法上の書類で、株主総会を招集する際に株主に対して発送される書類です。
直近のものを用意しましょう。
・入手方法
「東証上場会社情報サービス」や、自社ウェブサイトなどから入手してください。
また、印刷した冊子状のものが、社内に余っている場合もあります。
※「東証上場会社情報サービス」の利用方法は、「他社の定款の取得や閲覧は可能?その方法について解説。」もご参照ください。
株主総会招集通知のウェブ開示部分(みなし提供部分)
会社により、株主総会招集通知の一部をウェブ開示(みなし提供)している場合もあります。入手方法は、上記と同じです。
迎え入れる上司・先輩の側は、冊子状のものだけ用意して、ウェブ開示部分を用意するのを忘れがちなので気を付けましょう。事業報告の附属明細書、計算書類の附属明細書も用意してあげるとベストです!
有価証券報告書(内部統制報告書、確認書)
金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)上の書類で、事業年度ごとに会社の事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当な事項を記載し内閣総理大臣に提出された報告書です。
直近のものを用意しましょう。
あわせて同日に提出されている内部統制報告書及び確認書も用意しましょう。
・入手方法
「EDINET」や、自社ウェブサイトなどから入手してください。
また、印刷した冊子状のものが、社内に余っている場合もあります。
冊子状のものであれば、内部統制報告書及び確認書も綴じ込んであることが一般的です。
決算短信
取引所規則上の書類で、事業年度又は連結会計年度に係る決算の内容を開示する書類です。
直近のものを用意しましょう。
・入手方法
「東証上場会社情報サービス」や、自社ウェブサイトなどから入手してください。
※「東証上場会社情報サービス」の利用方法は、「他社の定款の取得や閲覧は可能?その方法について解説。」もご参照ください。
コーポレート・ガバナンスに関する報告書
取引所規則上の書類で、上場会社のコーポレート・ガバナンスに関する事項について記載し公衆の縦覧に供される書類です。
直近のものを用意しましょう。
・入手方法
「東証上場会社情報サービス」や、自社ウェブサイトなどから入手してください。
※「東証上場会社情報サービス」の利用方法は、「他社の定款の取得や閲覧は可能?その方法について解説。」もご参照ください。
独立役員届出書
独立役員届出書の記載内容は「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」と重複していますが、定期的に提出する書類の一つとして、用意してもいいかもしれません。
株式会社運営、企業統治に関する書類・資料
次に、株式会社運営、企業統治に関する書類・資料をリストアップします。
なお、監査役会設置会社を想定しています。
社則(定款、社内規程)
定款
会社法の定めに従い、会社の目的などの会社の基本的な事項を定めたものです。
・入手方法
自社イントラネットや、「東証上場会社情報サービス」などから入手してください。
※「東証上場会社情報サービス」の利用方法は、「他社の定款の取得や閲覧は可能?その方法について解説。」もご参照ください。
取締役会規程(取締役会規則)
取締役会の構成など取締役会の運営を定めたものです。会社法上の定めはありませんが、一般的に、定款の定めに基づき制定されています。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
監査役会規程(監査役会規則)
監査役会の構成など監査役会の運営を定めたものです。会社法上の定めはありませんが、一般的に、定款の定めに基づき制定されています。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
コーポレート・ガバナンスに関する基本方針(コーポレート・ガバナンスに関するガイドライン)
会社のコーポレート・ガバナンスに関する方針を定めたものです。会社法及び取引所規則上の定めはありませんが、コーポレート・ガバナンスに関する社会的要請の高まりにより、制定する会社が増えてきています。そのため、名称も定まっておらず様々です。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
株式取扱規則(株式取扱規程)
会社の株式に関する事項を定めたものです。会社法上の定めはありませんが、一般的に、定款の定めに基づき制定されています。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
決裁規程(稟議規程、決裁権限規程、決裁基準規程、決裁管理規程、職務規程、職務分掌規程)
株主総会決議事項以下の会社の決裁を体系づけるなど会社の決裁の管理に関する事項を定めたものです。一般的に、社内規程として制定されています。名称も会社により様々です。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
社内規程管理規程(社則管理規程)
定款以下の社則を体系づけるなど社則の管理に関する事項を定めたものです。一般的に、社内規程として制定されています。名称も会社により様々です。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
情報開示規程(適時開示規程、重要情報開示規程)
金商法及び関連法令並びに取引所規則に基づく会社の情報開示に関する事項を定めたものです。一般的に、社内規程として制定されています。名称も会社により様々です。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
業務規程(業務分掌規程)
会社の事業活動のうち、各部門(各組織)が分掌する業務を定めたものです。一般的に、社内規程として制定されています。名称も会社により様々です。
配属先部門(配属先組織)が分掌する業務を確認しましょう。「株式総務を分掌する部門(組織)は何部?」にも記載しましたが、株式総務を分掌する部門(組織)は会社により様々です。
・入手方法
自社イントラネットなどから入手してください。
商業登記
登記事項証明書
会社成立の年月日など登記簿に記載された事項を証明する書類です。
・入手方法
上司や先輩に確認して入手してください。履歴事項全部証明書がベストです!
印鑑証明書
印鑑登録された会社の印鑑を証明する書類です。
・入手方法
上司や先輩に確認して入手してください。
議事録
株主総会議事録
会社法の定めに従い、株主総会の議事について記載するものです。
・入手方法
上司や先輩に確認して入手してください。
取締役会議事録
会社法の定めに従い、取締役会の議事について記載するものです。
株主総会と違い、秘密情報が記載されているため、閲覧や複写は簡単には認められないかもしれません。
・入手方法
上司や先輩に確認して入手してください。
監査役会議事録
会社法の定めに従い、監査役会の議事について記載するものです。
株主総会と違い、秘密情報が記載されているため、閲覧や複写は簡単には認められないかもしれません。
・入手方法
上司や先輩に確認して入手してください。
まとめ
以上の書類を用意すれば、株式総務の担当としてのスタートラインに立ったと言えるでしょう。
各書類をぜひ読み込んでください!
株式総務の担当として、お互い頑張りましょう!