株主総会招集通知は到達主義?発信主義?のどちらが採用されているのでしょうか?
そもそも、到達主義・発信主義とはどういう意味なのでしょうか?
当記事では、株主総会招集通知は到達主義か発信主義か、到達主義・発信主義とはどういう意味かについて、ご説明します。
株主総会招集通知は到達主義?発信主義?
会社法は民法の特別法
会社法は民法の特別法(民法は会社法の一般法)です。
そのため、会社に関して、民法と会社法で異なる定めがなされている場合、会社法が優先して適用されます。
詳しくは、「会社法は民法の特別法!金商法の一般法は?」もご参照ください。
到達主義とは?
到達主義とは、相手方への意思表示について、その通知が相手方に到達したときからその効力が発生することをいいます。
その旨が民法に定められているため、原則としてはこの考え方が採用されることになります。
「会社法は到達主義が原則」と記載されているものも目にしたことがありますが、上記の「会社法は民法の特別法」に記載の通り、民法の原則であるため、会社に関しても適用されるという関係です。
発信主義とは?
発信主義とは、相手方への意思表示について、その通知を相手方に発信したときからその効力が発生することをいいます。
到達主義が原則ですので、この発信主義は例外という扱いになります。
株主総会招集通知は到達主義?発信主義?
会社法において、株主総会招集通知は発信主義が採用されています。
そのため、株主総会招集通知は発信したときからその効力が発生します。
会社によっては、株主総会招集通知を、多数の株主に発送することになりますので、到達主義を採用すると、一部の株主に到達しないことで、大多数の株主に不利益が生じますので、発信主義を採用するのは、当然のことといえそうです。
法令の定め
最後に、参考までに、上記の内容に関する法令の定めを引用します。
(意思表示の効力発生時期等)
第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
(略)
(株主に対する通知等)
第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。
4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。
5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。(株主総会の招集の通知)
第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
(略)
まとめ
株主総会招集通知は発信主義です!
発信主義のため、株主総会招集通知は発信したときからその効力が発生します!