株主総会の開催日の集中日が、月末最終営業日ではなく、月末最終営業日の前営業日ということについて、気になった方もいるかと思います。
株主総会の開催日の集中日はなぜ月末最終営業日ではないのでしょうか?
当記事では、株主総会の開催日が月末最終営業日ではない理由について、ご説明します。
目次
株主総会の開催日はなぜ月末最終営業日ではないのか
月末最終営業日は配当金の効力発生日(支払日)だから
結論としては、月末最終営業日が、配当金の効力発生日だからということになります。
配当金の効力発生日は株主総会で定めなければならない
原則として、配当金の効力発生日は株主総会で定めなければなりません。
そのため、株主総会の開催日→配当金の効力発生日という順序になります。
株主総会の開催、配当は基準日から3ヵ月以内
基準日株主が行使することができる権利(株主総会決議、配当)は、基準日から3ヵ月以内に行使するものに限られています。
そのため、基準日から3ヵ月いっぱいをおいて、株主総会や配当を行う場合、基準日から3ヵ月以内ギリギリの月末最終営業日の前営業日(つまり、株主総会集中日。)を株主総会開催日とし、月末最終営業日を配当金の効力発生日とすることとなります。
なお、株主総会と配当の基準日について、同一の日を基準日として定款に定めている会社が多いですが、別の日とすることも出来ます。
株主総会集中日については、「株主総会集中日とは?」をご参照ください。
新型コロナウイルス感染症に関する対応
「新型コロナウイルス感染症に関する株式総務関連情報まとめ」でもご紹介した通り、公告することで、定款に定める以外の日を基準日として、株主総会の開催、配当を行うことも可能です。
法令の定め
最後に、参考までに、上記の内容に関する会社法の定めを引用します。
(株主に対する剰余金の配当)
第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。(剰余金の配当に関する事項の決定)
第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額
二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日
(略)(株主総会の招集)
第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
(略)(基準日)
第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。
2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。
(略)
まとめ
株主総会の開催日が月末最終営業日ではない理由は、月末最終営業日が、配当金の効力発生日だからです。