社団法人について、株式会社を中心に、以下の記事でご説明をしました。
株式会社の社員は株主!
株式会社、社団法人、国家を比較してみると株式会社がもっとわかる。
株式会社は社団法人の中では結構例外(結構少数派)
当記事では、上記の記事に関連して、会社に関わる法人でない団体、会社以外の団体について、ご説明したいと思います。
法律(特に民法。)に詳しい方には当然の内容かもしれませんが、会社に関わる団体で、かつ法人でない団体(持株会など。)、会社に関わる団体で、会社以外の団体(労働組合など。)、に関することですので、当サイト「株式総務」を閲覧する方にも、少しはお役に立つかと思います。
目次
会社に関わる法人でない団体、会社以外の団体
法人でない団体
法人でない団体の種類
法人でない団体には、以下の4つがあります。
- 民法上の組合(民法上の任意の組合、任意組合)
- 権利能力なき社団(人格なき社団、人格のない社団)
- 権利能力なき財団(人格なき財団、人格のない財団)
- 上記のいずれにも該当しない団体(任意団体)
社団と組合の違い
社団と組合の違いは、団体の構成員からの独立性の違い(組合のほうが独立性が低い。)にあるとされています。
ただ、社団と組合を明確に区別する基準はない、法律上も区別することを前提としていない、と言われています。
社団と財団の違い
社団と財団の違いは、「株式会社の社員は株主!」に記載したように、「一定の目的を持つ人の集団体が社団、一定の目的のために拠出された財産の集合が財団」ということになります。
権利能力なき社団の要件
権利能力なき社団は判例によって、以下の要件が示されています。
「団体としての組織をそなえ、そこには多数決の原則が行なわれ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、しかしてその組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているもの」
会社に関わる法人でない団体
会社に関わる法人でない団体として、持株会(役員持株会、従業員持株会、取引先持株会)があります。
構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続しますので、「権利能力なき社団」に当てはまるように思われますが、以下の理由から、「民法上の組合」を、あえて選択することが多いようです。
持株会規約にも「民法上の組合」であることを明示している場合が多いようです。
・社団と組合が明確に区別されているわけではない(上記の「社団と組合の違い」にも記載の通りです。)。
・税制上の理由(社団として法人税を課税されるのではなく、会員が課税主体となること(いわゆるパススルー課税。)が好ましい)。
会社に関わる会社以外の団体
会社に関わる会社以外の団体として、労働組合があります。
労働組合は労働組合法により法人(社団法人)になることができますが、法人でない労働組合は「権利能力なき社団」に該当すると、判例で示されています。
名称に組合と入っているため、ややこしいですね。
まとめ
持株会は「民法上の組合」(であることが多い)!
法人でない労働組合は「権利能力なき社団」!